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株式会社伊勢志摩テック

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建設業許可(電気通信工事業)取得体験記|小さな会社が5週間で許可を取るまでにやったこと

経営ノウハウ
2026年7月30日、三重県知事から電気通信工事業の建設業許可をいただきました。申請したのは6月24日なので、審査期間はおよそ5週間です。今回は制度の説明ではなく、うちが実際にどう動いて、どこでつまずいたかという体験談として書きます。これから許可取得を考えている同業の社長さんの参考になればと思います。

1. なぜ今、建設業許可を取ろうと思ったのか

電気通信工事一本で20年以上やってきましたが、案件の規模が大きくなるにつれて「500万円以上の工事を直接請け負えない」という壁に何度もぶつかるようになりました。学校や自治体、宿泊施設など、複数のエリアにまたがるネットワーク工事のご相談をいただく機会が増えたタイミングで、申請に踏み切ることを決めました。

それまでは、規模の大きい案件は元請けの会社に間に入ってもらう形を取らざるを得ませんでした。技術力には自信があっても、制度上の裏付けがなければ直接契約できない。この状態をいつまでも続けるわけにはいかないと感じたのが、今回のきっかけです。

個人事業から法人成りして1期目という段階での申請だったので、正直「今のタイミングで通るのだろうか」という不安もありました。それでも、案件の相談が増え始めている今のうちに体制を整えておいた方がいいと判断し、動き出すことにしました。

2. 建設業許可とは何か・電気通信工事業を選んだ理由

建設業許可は、建設業法に基づいて都道府県知事または国土交通大臣が交付する許可です。建設業法施行令では、電気通信工事業を含む専門工事について「工事一件の請負代金の額が500万円に満たない工事」は許可がなくても請け負える「軽微な建設工事」と定められています。裏を返せば、500万円以上の工事を直接請け負うには、この許可が必要ということです。

制度の基礎知識
500万円が「直接契約できるかどうか」の境目

建築一式工事は基準が異なりますが、電気通信工事業を含む専門工事は「500万円未満なら許可不要」というのが基本ルールです。うちが取得したのは電気通信工事業の一般建設業許可(三重県知事許可・般-8・第14849号)で、有効期間は2031年7月29日までの5年間です。

建設業許可には、下請けに出す金額の規模に応じて「一般建設業」と「特定建設業」の区分があります。うちは今回、一般建設業として申請しました。うちは創業以来、電気通信工事一本でやってきたので、業種選びで迷うことはなく、事業の実態そのままで電気通信工事業を選びました。

3. 行政書士に依頼した理由と依頼までの流れ

最初は自分で申請できないか調べてみました。ただ、必要書類の種類や証明の組み立て方が複雑で、現場の仕事をこなしながら独力で進めるのは現実的ではないと早い段階で判断しました。時間をかけて自分で試行錯誤するより、確実に進められる形を選んだ方がいいと考え、行政書士に依頼することにしました。

依頼した行政書士への報酬は10万円でした。書類の組み立て方や、どの証明書をどう揃えればいいかを都度確認しながら進められたので、申請自体は迷わず進みました。現場を止められない立場としては、専門家に任せた方が結果的に早いというのが率直な感想です。

4. 実際に必要だった要件と、うちがどうクリアしたか

建設業許可の取得には、経営業務の管理責任者の要件、専任技術者の要件、財産的基礎の要件など、いくつかの要件を満たす必要があります。うちの場合、経営業務の管理責任者は代表取締役である私自身の経営経験で対応しました。

専任技術者は、国家資格を持っているか、あるいは実務経験を積んでいるかのいずれかで要件を満たす仕組みになっています。うちは資格だけでは要件を満たせない部分があり、実務経験を証明するルートを選ぶことになりました。これが後で一番苦労するポイントになります。

財産的基礎の要件については、銀行の残高証明書を提出することで満たしました。決算内容を調整するようなことはせず、通常の経営状態のまま要件をクリアできたのは、ひとつの安心材料になりました。

要件クリアのポイント
財産的基礎は「残高証明書」で満たすルートもある

財産的基礎要件は決算書の内容で判断されると思われがちですが、銀行の残高証明書を提出するルートもあります。うちはこちらのルートで要件を満たしました。

一方で、専任技術者の要件は簡単には進みませんでした。ここが今回、一番時間と手間がかかった部分です。詳しくは次の章で書きます。

5. 申請から許可までのスケジュール

申請したのは6月24日、許可がおりたのは7月30日です。実質5週間強という期間でした。

時期状況
申請前行政書士への相談・必要書類の洗い出し
2026年6月24日三重県へ申請書類を提出
審査期間中県からの照会に対応しながら審査を待つ
2026年7月30日許可通知書を受領(般-8・第14849号)

審査期間そのものは待つ時間が中心でしたが、そこに至るまでの書類集めに一番エネルギーを使いました。特に大変だったのが、次に書く専任技術者の実務経歴証明です。

6. 費用感

今回かかった費用の中心は、行政書士への報酬10万円です。これに加えて、県への申請手数料や、残高証明書の発行手数料といった実費が発生しています。金額の大小よりも、「自分で全部やろうとしていたら、この期間では終わらなかっただろう」というのが実感です。専門家に依頼する費用は、時間を買うコストだったと捉えています。工事の見積もりと同じで、自分の手間と外部に任せるコストを天秤にかけて判断する感覚は、普段の仕事とそう変わらないと感じました。

7. つまずいたこと・大変だったこと

今回の申請で一番大変だったのは、専任技術者の実務経歴証明でした。私は電気通信工事の実務経験が長くありますが、その経験を客観的な書類で証明する必要があります。

証明のために必要になったのが、前職時代の請求書や発注書といった書類でした。これは自分の手元だけでは揃えられず、前職の会社に協力してもらって、当時の書類を提供してもらう必要がありました。何年も前の書類を探してもらう手間をお願いすることになり、気軽に頼める話ではありません。それでも快く対応してもらえたことで、なんとか証明を組み立てることができました。

今回一番大変だったこと
実務経歴の証明は「自分の記憶」だけでは足りない

専任技術者の実務経歴を証明するには、当時の請求書や発注書といった客観的な書類が必要でした。過去に在籍していた会社に協力してもらい、書類を提供してもらう手間が発生します。これから申請を考えている方は、この部分に時間がかかることを見込んでおいた方がいいと思います。

依頼している間、正直「これで揃うのだろうか」と落ち着かない時期もありました。自分の経験を証明するのに、他人の協力が必要になるというのは想像していなかった負担です。振り返ってみると、資格や経験があることと、それを制度上の書類として証明できることは別の話だと痛感しました。日々の仕事に追われていると、こうした書類を将来のために整理しておくという発想がなかなか持てません。今回の経験は、自社の記録の残し方を見直すきっかけにもなりました。

8. 取得して変わったこと・今後の展望

許可を取得したことで、500万円以上の工事についても正式に元請けとして直接契約できる体制が整いました。これまでは学校や自治体、宿泊施設などの大きめの案件で、元請けの会社に間に入ってもらう場面がありましたが、今後はうちが窓口を一本化できるケースが増えてきます。学校・ホテル・自治体のネットワーク工事のような案件は、まさにこの変化の恩恵を受ける分野です。

一方で、現場に入る体制や、協力業者と連携しながら進めるスタイル、丁寧な見積もりの出し方は変わりません。以前通信工事の見積もりに差が出る理由という記事で書いた考え方は、許可を取った後も変わらず大事にしています。

今後は、うちが以前から取り組んでいるAIを使った事務作業の効率化と組み合わせて、建設業許可業者としての体制づくりも進めていきたいと考えています。

9. これから許可取得を検討する同業者へ

今回の経験を振り返って一番伝えたいのは、「専門家に頼るべき部分」と「自分にしかできない部分」を早めに切り分けることの大切さです。書類の組み立ては行政書士に任せられますが、実務経歴の証明のように、自分の過去の仕事の記録を掘り起こす作業は、結局のところ自分にしかできません。現場を止められない立場だからこそ、早めに動き出すことをおすすめします。準備に着手してから許可が下りるまでの間、現場の仕事は普段どおり続きます。書類集めと現場対応を並行して進める体力も、思っていた以上に必要でした。

特に、過去の勤務先とのつながりが証明の鍵になる場合は、関係が良好なうちに一度相談してみることをおすすめします。時間が経つほど、書類も記憶も掘り起こしにくくなります。うちも今回、良い関係が残っていたからこそ協力してもらえた部分が大きいと感じています。

次回は、この許可を活かして進めている案件について、実際の受注の変化を含めて書く予定です。

建設業許可取得で見えてきたこと

専門家に任せる判断

自分で進めるより、行政書士に依頼した方が確実で早い。現場を止められない立場だからこその判断でした。

実務経歴証明の壁

資格や経験の証明には、当時の書類が必要になります。過去の勤務先の協力を得られるかが、想定以上に重要でした。

500万円以上も直接契約

元請けを挟まず、うちが直接契約の窓口になれるようになりました。案件対応の幅が広がっています。

谷川原一将
株式会社伊勢志摩テック 代表取締役 谷川原 一将
電気通信工事・ネットワーク構築からAI・DX活用支援まで。現場経験と自社実践をもとに、地域の中小企業のITパートナーとして活動中。

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