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株式会社伊勢志摩テック

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手書きでも手打ちでもなく、AIに入力を任せてみた——Chrome拡張で変わったWebフォーム作業

IT活用・補助金
先日、ある調査機関から届いた企業情報のWebフォームを、AIに入力してもらいました。私が使ったのはキーボードではなく、声です。以前なら紙に手書き、少し前ならパソコンで手打ちしていた作業が、今回はそのどちらでもなくなりました。便利さだけでなく、どこまで任せてどこから自分でやるかも含めて、やってみた記録を書きます。AI活用をシリーズでお伝えしていく、その第1回です。

1. 手書き、手打ち、そして「AIに任せる」へ

会社の情報を調査機関や取引先に出す場面は、事業をしていれば何度かあります。数十項目、ときには数百項目の入力欄が並ぶフォームです。

昔は、紙の調査票に手書きで答えていました。会計ソフトの数字や決算書を見ながら、ボールペンで一つずつ。その後はWebフォームになって、今度は画面を見ながら手で打ち込む作業に変わりました。楽にはなりましたが、資料と画面を行き来する手間は変わりません。

今回は、画面を見ながら入力まで進めてくれる形にしました。使ったのは、AIのClaudeと、ブラウザのChromeに追加する拡張機能「Claude in Chrome」です。

用語メモ
Claude in Chrome とは

Google Chromeに追加して使う拡張機能です。AIがブラウザ上のページを読み取り、クリックや入力、ページの移動を代わりに行えます。有料プランが対象で、対応ブラウザはChromeのみです(公式ヘルプ・2026年10月5日確認)。公式は、AIがウェブサイト上で操作を代行する性質上、リスクがあることも明記しています。

Claudeの業務での使い方は、これまでの記事でも書いてきました。気になる方はClaudeを業務に使い始めて変わったこともあわせてご覧ください。

2. 実際にやったこと——声で伝えて、AIが埋めていく

進め方は単純です。フォームを開いた画面の横でAIに話しかけ、「この項目はこう入れて」「ここは会計データを見て」と伝えていきます。私はほぼ音声だけで指示を出し、キーボードにはほとんど触れていません。

AIが参照したのは、次の三つです。

  • 会計ソフトのデータ
  • 決算書のPDF
  • 普段から整理している社内メモ

会社名や所在地、従業員数、取引先といった項目を、これらの資料から探して画面に入れていきます。人間が資料を開いて見比べていた手間を、AIが代わりにやってくれる感覚でした。

この記事ではフォームの出し元や中身には踏み込みません。数字や取引先の情報も載せません。伝えたいのは、仕組みと使い方のほうです。

3. 人が握ると決めた線——ログインと送信

ここは、使い始める前に決めておいたことです。ログインは私自身が行い、最後の送信ボタンもAIには押させない。この二つは、人の仕事として残しました。

理由は二つあります。一つは、IDやパスワードをAIに渡したくなかったこと。もう一つは、送信してしまえば取り消しにくい操作だからです。入力内容を最後に目で確認して、自分の手で送る。この一手間を残すだけで、安心して任せられるようになりました。

作業AIに任せた人が行った
サイトへのログイン—自分で入力
資料からの情報探し会計データ・決算書・社内メモを参照指示を声で伝える
フォームへの入力項目ごとに入力内容を確認
最後の送信—自分でボタンを押す
任せ方の決め事
「入れる」はAI、「入る・出す」は人

サイトへ入る(ログイン)ところと、情報を外へ出す(送信)ところは人が握る。その間の入力作業だけをAIに任せる、という線引きにしました。

4. AIが気づいたこと、人が直したこと

順調に見えて、細かな食い違いはいくつもありました。うまくいったことと、つまずいたことを、両方書いておきます。

フリガナの濁点

フォームには、機械的に付けられたフリガナが先に表示されていました。私の名字は濁らない読み方なのですが、表示されていたのは濁る読みです。これに気づいたのはAIでした。登録済みの情報と見比べて、違いを指摘してくれました。私が見落としていた部分で、ここは素直に助かりました。

AIのメモの間違い

逆に、間違えていたのはAIの側です。取引している金融機関の支店名が、AIの持つメモでは別の支店になっていました。これは私が画面を見て気づき、訂正しました。AIは資料を元に答えますが、その資料が古かったり間違っていたりすれば、そのまま誤りになります。「最後は人が見る」と決めておいてよかった場面でした。

文字数制限を超えた

自社のPR文を入れる欄には、文字数の上限がありました。ところが、上限は画面に最初から表示されていません。最初に入れた文章は上限を超えてしまい、エラーになりました。ここでAIは、自分で文章を短くまとめ直して入れ直してくれました。私が書き直す必要はありませんでした。

やってみて分かったこと
AIも間違えるし、人も見落とす。だから見直す場所を決めておく

今回は、AIが私の見落としに気づき、私がAIのメモの誤りに気づきました。お互いの穴を補う形になったのは、最後に人が目で確かめる流れを作っていたからです。

5. 空欄にする判断も、AIが助けてくれた

フォームには、代表者個人の情報を問う欄もありました。ここでAIは、「個人に関わる項目は無理に埋めず、空欄にしてはどうですか」と勧めてくれました。

私もそのつもりでした。全部埋めなければいけない、と思い込みがちですが、入力しないという選び方もあります。必須でない項目は、会社として出すべきかどうかを自分で決めてよい。AIに任せる中でも、この判断は人の側に残しておきたい部分です。

6. 使ってみて感じたこと

今回の体験で、三つのことを実感しました。いずれも私の場合の話で、すべての作業で同じ結果になるとは限りません。

Webフォーム入力をAIに任せて分かったこと

資料を探す手間が減った

会計データや決算書を行き来する作業を、AIが代わりに進めてくれました。

確認しながら進められる

誤りの指摘も訂正も、その場で画面を見ながら行えました。

最後は人が決める

ログイン・送信・空欄の判断は自分で。線を引いておくと安心して任せられます。

AIという言葉から、全部お任せの魔法のようなものを想像される方も多いかもしれません。実際にやってみると、人と分担して進める、頼れる助手に近い感覚でした。AIの考え方の入口は、「AIエージェント」って何? 1人建設会社社長がAI組織を作ってみたに書いています。

7. 次回は、外注の支払い管理まで

今回は、ブラウザの中でAIに入力を任せる話でした。次回は、少し広げて、ClaudeとGoogleカレンダー、Notionをつないで、外注さんの稼働記録から支払い管理までを回している話を書く予定です。うまくつながったところも、手間取ったところも、そのままお伝えします。

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谷川原一将
株式会社伊勢志摩テック 代表取締役 谷川原 一将
電気通信工事・ネットワーク構築からAI・DX活用支援まで。現場経験と自社実践をもとに、地域の中小企業のITパートナーとして活動中。

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